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テニス最高セイヤー

木更津淳は聖ルドルフで幸せになれたのか

8月24日から、『テニスの王子様』の人気試合である、関東大会氷帝戦 手塚VS跡部 が再アニメ化され、劇場で公開される。
 

 

 昨年10月に開催された『オールテニプリミュージアムin京都』にて、ファンからの投票で1位になった試合だ。
上位に選ばれた試合は、順次再アニメ化される予定で、既に3作目まで制作が決定している。
個人的には関東大会立海戦 大石菊丸VS仁王柳生で、柳生がちゃんとレーザービームを撃つのが見たい。

 

 

もしも自分が、テニスの王子様で一番好きな試合を決めるとしたら、確実に1番は

『都大会聖ルドルフ戦 海堂桃城VS木更津柳沢』だ。
この試合は最後、桃城の放ったダンクスマッシュが柳沢の顔面に直撃し、棄権という結果に終わる。コミカルなシーンとなっているし、聖ルドルフがややヒール的な描かれ方をしているため、うまいことオチをつけたのかな、という印象だ。
 
しかし、この試合は青学の2人の成長や、ライバルであるが故の関係性がアツい。
ルドルフの2人は、観月のシナリオをあえてぶち壊して、「自身の納得できる勝利」を追求する。
その結果、棄権というかたちで敗退してしまうのだが、両者の勝利へのポリシーがぶつかりあう、非常に少年漫画的な試合なところが好きだ。
 
一見地味な学校であるうえ、超初期に登場したため忘れられがちだが、非常に熱いので、是非読み返していただきたい。
その後2人のデュエット曲『青い炎』を聴いてほしい。
なんだかラブがファントムしそうな曲だが、2人の勝利へのこだわりが詰められた歌詞が、これぞキャラソン!と思わせる。聴いてください。

 

青い炎

青い炎

  • 木更津 淳 & 柳沢慎也
  • アニメ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

 
 
私は聖ルドルフ学院が1番の推し校である。特に木更津淳が大好きだ。
キャラ造形やアニメでの鶴岡さんのハスキーな声は勿論、1人の人間として、彼が好きなのである。
 
彼は元々は千葉県の古豪・六角中に在籍しており、木更津亮の双子の弟だ。
2年次に、観月はじめによりスカウトされ(亮と間違われているが)、聖ルドルフへと編入する。
公式ファンブック23.5巻では、巻頭カラーにて、彼がスカウトされた経緯が描かれている。ありがとう許斐先生。
 
六角中のメンバーは昔からの幼馴染であり、指導者であるオジイの元、手作りのウッドラケットを持ち、テニスを楽しんでいる。
兄弟もいる、友人もいる。それに、六角中は全国大会常連校だ。
聖ルドルフが都大会敗退だったということを考えると、彼が"全国制覇"を目的としていたのであれば、この選択は誤っていたと言えるだろう。
 
何故、彼は聖ルドルフへ行くことを決めたのだろうか。
一ファンの勝手な考察でしかないが、
彼は不二裕太と同じで「自分の名前で呼ばれたい」のだと思う。
 
そもそも観月は亮を狙ってスカウトをしていたということは、テニスの技術は亮>淳なのだろう。
観月は彼らが双子だということを知らなかったとしても、「千葉に木更津亮って強い奴がいる」と聞いていたのであれば、世間的にも亮が評価されているはず。
 
六角中には氷帝百人斬りの天根ヒカルをはじめ、実力者揃いだ。
そこで、淳は埋もれてしまっていたのではないか。
評価されるのはいつも亮。
そんな中で、自分(間違われてるけど)を求めてくれた、観月を信じたいと思ったのだろう。仮に間違えていたとしても、その瞬間は彼自身を見ていたのだから。
 
彼はオジイのラケットを手放し、亮とお揃いの長い髪も短く切られ、帽子も被らなくなった。
離れた土地で、自身を『木更津淳』として見てくれる仲間と出逢い、青学を苦しめるまでの実力を発揮する。
結果的には青学に敗退し、5位決定戦も氷帝に敗退。彼らの夏はここで終了だ。
 
かたや六角は県大会・関東大会を順当に勝ち上がり、全国大会に出場。
結果だけを見れば、どう考えても六角中にいた方がよい成績を残せた。
それでは、木更津淳聖ルドルフに行くべきではなかったのだろうか?不幸になったのか?
 
答えはNOであってほしい。
自分でいられる場所があって、大切な友人も仲間もいる。それに、千葉には帰る家があり、古くからの友人が待っている。
 
きっと六角中でも、木更津淳としていられたと思う。
けれど、裕太と同じで淳もまた、『自分』として輝ける場所は聖ルドルフ学院だったのだ。
 
 
公式ファンブック40.5巻の、読者からの質問コーナーにて、「淳はルドルフの高等部に進学しますか?」という質問がある。彼は、進学する、と回答した。
きっとそれが、全ての答えなのだろう。
 
 
 
木更津淳のこれからの人生に、幸多からんことを祈っている。